消費者行政-詳細

2011/02/17|活動報告(消費者行政)

地方消費者行政専門調査会報告書案(骨子)に関する意見を提出 (2011年2月15日)

 消費者委員会地方消費者行政専門調査会では、地方消費者行政活性化基金が終了する平成24年度以降の政策企画・立案に向けて本年3月に報告書を取りまとめる予定になっています。1月26日から2月15日に、この報告書案(骨子)について意見募集が行われたので、東京都生協連は下記の通り意見を提出しました。

2011年2月15日
内閣府消費者委員会事務局 御中
 
「地方消費者行政専門調査会報告書案(骨子)に関する意見」
 
                東京都生活協同組合連合会
         
 
 この間、地方消費者行政専門調査会が精力的に検討を重ね、報告書案(骨子)をとりまとめられたことに敬意を表します。
平成22年度、私たち東京都生活協同組合連合会・消費者行政連絡会(6地域生協と②連合会)と東京消費者団体連絡センター(19団体加盟)が協働して、「地方消費者行政の充実・活性化」を目的とした取り組みを進めてまいりました。その内容は、
①(島しょ部を除く)都内53自治体へのアンケート調査
②都内53自治体への2回(6・7月と11・12月)の訪問調査
③それらを通じての得られた「成果と課題」の共有を目的とした「中間報告会」、「報告・交流会」の実施
これらの活動で得られた地方消費者行政の現場の声を踏まえつつ、以下、報告書案(骨子)について、相談ネットワーク・今後の地方消費者行政・消費生活相談員の処遇・法執行の四点を中心に意見を申し述べます。
 
1.相談ネットワークのあり方について
【意見】
 (2)都道府県と市町村の役割分担の項で、「都道府県の役割に関する記載が不十分」と考えます。以下を明記すべきです。また、「国と都道府県の役割分担」にも触れるべきです。
①広域性のある被害についての相談は都道府県で受けたほうが対応しやすいこと
消費生活センターの未設置ならびに土曜・日曜の受付が出来ない市町村への補完的な役割を担っていること
市町村における苦情処理を支援するためには都道府県が自ら実際の相談業務を行っていることで得られる経験が不可欠であること
専門性が必要な相談に対して、都道府県のバックアップが必要であること
【理由】
 市町村の側から見れば、「国は何をしてくれるの?都道府県は何をしてくれるの?」というように役割分担を明確にしてほしいとの要望があります。また、現在国民生活センターに寄せられる経由相談の約3割が都道府県からのものであるという事実は、市町村のバックアップ機能を果たすべき都道府県でも対応できない相談が多く存在することを示しており、国と都道府県の役割分担を明確にすべきです。
 
2.今後の地方消費者行政の充実・強化の進め方について
【意見】
 「集中・育成機関終了後さらに数年の期間を要すると考えられる」とありますが、消費者行政の定着に向けて、数年では短すぎ、最低でも10年とすべきです。
【理由】
 11年1月1日付、日本消費経済新聞のインタビュー記事で福田康夫元首相は「消費者庁は一括交付金で予算を確保するよう求めた。これに対して『よちよち歩きの子どもを寒い道路っぱたに放り出すようなもの』」と批判しております。地方自治体では過去10年間で消費者行政担当職員が35%減少、消費者行政予算が33%減少とのことで地方は疲弊していると考えます。消費者庁及び消費者委員会が発足し、行政のパラダイム転換がなされたのであれば、地方を元気つける強いメッセージが必要と考えます。
 
【意見】
 「PIO-NETの入力事務に係る国の財政負担」について、「(国の)一定の負担」とありますが、「多くの負担」とし、国による恒久的な財政措置として位置づけるべきです。 
【理由】
 PIO-NETの入力事務は国の消費者事故情報の一元的収集という性格を有しており、国も法執行や消費者への注意喚起などに活用しています。少なくともこの事務に係る費用は、時限的な財政支援ではなく、恒久的な財政措置とし、その趣旨を明確に記述すべきと考えます。
 
3.消費生活相談員の処遇のあり方について
【意見】
 「(2)相談員の処遇・研修等とそのための具体的な指針」で研修・雇止めの禁止は不適当・適切な評価に関して、各自治体に指針を示すとありますが、不十分だと考えます。
【理由】
 相談業務の専門性と、100万件もの相談の助言・あっせんという業務の重要性を考えるならば、相談員の報酬アップを図るべきです。しかし、各自治体の財源不足が解消されない限り、現実的に困難となります。相談員人件費の財政措置する具体的な方法に知恵を絞ることが求められていると考えます。
 
4.地方自治体における法執行の位置づけについて
【意見】
 「6(3)都道府県等の執行権限強化」に関して、消費者被害の拡大に対応するために、特定商取引法における都道府県の行政処分の効果を全国に及ぼすことができるとする提案に賛成します。
【理由】
 都道府県等の執行権限強化に向けては、報告書案(骨子)で提案されている点以外にも、①事業者の取締りに関しては、行政処分を受けた事業者が別法人を設立して同様の行為を繰り返すことを止められないこと ②都道府県の消費生活条例に直罰規定を盛り込むことが困難であること、といった課題もあり、こうした課題への手当ても必要です。こうした現状に対して法制度上の検討を行うことは、地方消費者行政支援の観点からも重要であり、これらの点への対応も記述してください。
 
以上