消費者庁は、平成22年以降の新たな「消費者基本計画」に盛り込むべき施策について、昨年11~12月に募集した意見や各方面からの意見をもとに計画の素案を策定し、2月3~23日、広く意見を募集しましたので、東京都生協連は、2月23日、下記の意見を提出しました。
|
2010年2月23日
消費者庁企画課 御中
東京都生活協同組合連合会
新たな「消費者基本計画(素案)」に対する意見
日頃より消費者行政にご尽力されていることに敬意を表します。
このたび提案されました“新たな「消費者基本計画(素案)」”に関して、下記の意見を提出いたします。
記
Ⅰ 総論について(P1~P7)
1.「消費者政策の新たなステージ」に入ったとの認識があるにも関わらず、消費生活の現状に対する基本認識が十分にまとめておらず、参議院付帯決議前文の「行政の意識改革を図ら」れているとは思えません。全省庁の政策を消費者視点に転換させるための重要なツールとしてこの基本計画があるとの認識に立脚した取り組み、展開になっているか疑問を持ちます。
2.基本計画における「具体的施策」はその進捗を検証・評価できるものであるべきと考えます。その意味で、できるかぎり数値目標を含めた具体的な表現が望まれますが、そのような施策が非常に少ないと考えます。
3.今回の『新たな「消費者基本計画(素案)」』がどのような経緯で作成されたが承知しておりませんが、各省庁から提出された施策を消費者庁事務局がホッチキス止めしたような印象を持ちました。全168施策のうち148施策が「継続」という事実と参議院付帯決議2で「各省庁における消費者担当部局の強化を行う」こととの文言とで齟齬が生じているのではないでしょうか。もっと多くのチャレンジ課題、分野横断的・省庁横断的な課題があってしかるべきと考えます。
4.2 消費者政策の基本的方向 (3)関係者・関係団体との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上 「地方公共団体との連携」に関して、本年1月14日に地方消費者行政強化プラン策定本部が発表した「先導的な取り組み事例集」を10年度以降も継続的に作成し、地方消費者行政の充実・活性化に資するよう地方自治体の担当者と共有することを望みます。
Ⅱ 具体的施策について修正意見(P8~P31)
A.項目「消費者の安全・安心の確保」についての修正意見
①具体的施策「24、25、26、29」は特定の省および庁に限定した取組みと捉えるべきでなく関係省庁にまたがる総合的な取組みとしていただきたい。
②具体的施策「28」に関して、政府全体で行う食品安全行政に関する総合的なリスクコミュニケーションについて消費者庁が全プロセスに関与することを明記していただきたい。
③具体的施策「59」はフードディフェンスと思われますので、項目としては「消費者の安心・安全の確保」に移すべきと考えます。また、特定の省および庁に限定した取組みと捉えるべきでなく関係省庁にまたがる総合的な取組みとしていただきたい。
B.項目「環境に配慮した消費行動と事業活動の推進」についての修正意見
①具体的施策「113、121」は実施済みであったり、役割を終えたものと思われますので実施の必要性を含め再検討してください。
②具体的施策「111」の「見える化」は消費者の選択に資するように普及することが重要ですので、その旨を追記していただきたい。
C.項目「消費者に対する啓発活動の推進と消費・・・・・」についての修正意見
①具体的施策「75」に関しては、地方の場で具体的に連携して進める場を作り、活動を作ることが重要です。従って担当省庁の追加(文科省と総務省)と実施時期の具体化が必要です。
②具体的施策「76」は特定の省および庁に限定した取組みと捉えるべきでなく関係省庁にまたがる総合的な取組みとしていただきたい。
③具体的施策「82」に関して「連携の目的」を追記することが重要と考えます。
Ⅲ 具体的施策について追加意見(P8~P31)
A.項目「環境に配慮した消費行動と事業活動の推進」についての追加意見
①2020年までに1990年比で-25%の削減に向けて政策が整えられた場合は、次年度以降の消費者基本計画に盛り込んでいただきたい。
②環境配慮商品普及に伴う消費者トラブルへの監視に関する内容を盛り込んでいただきたい(例:太陽光発電の設置業者とのトラブル)。
B.項目「消費者に対する啓発活動の推進と消費・・・・・」についての追加意見
①「メディアリテラシーを養成するための施策を検討」することを具体的施策として追加してください。
②「消費者教育推進法の制定検討」することを具体的施策として追加してください。
③「学校教育における外部講師の活用」することを具体的施策として追加してください。
以上