1.食中毒等健康危害発生時の対応などについて
中国産冷凍ぎょうざ事件の発生からほぼ1年が経過しました。いぜんとして事件の解明がすすんでいませんが、生協では事件を深く受け止め、その反省を踏まえて、第三者を含む委員会を設置し、問題の解明と再発防止対策に取り組んできました。
この事件はたんなる食品安全(food safety)を超える「食品防御」(food defense)という課題を提起しました。その観点からは製造・流通過程の監視、品質管理の飛躍的な向上のほかに、かかる事件が発生したさいのしっかりしたクライシス・マネジメントが求められます。
この計画では食中毒健康危害発生時の対応、普及啓発、食品事故に関する公表などについて触れていますが、緊急時において的確な情報を都民に速やかに提供していく態勢の整備をより充実させることを求めます。
2.食中毒対策について
昨年も指摘したところですが、ノロウイルスなど食を媒介とした感染症について、重点的な未然防止対策を講じるよう求めます。保健所、医療機関などだけでなく、製造・供給事業者を含む関係機関・組織の間での密接な連携の強化を求めます。
3.食品衛生自主管理認証制度について
食品衛生自主管理認証制度は食品の安全確保にとって意義のある制度ですが、なお、普及率が低い状態にあります。それは、この制度が一般消費者にあまり知られていなく、事業者側にとっても経済的なインセンティブが弱いことに起因していると考えられます。制度そのものについての情報の普及をいっそう図るとともに、小規模事業者に対して認証費用を助成するなどの促進施策を講じるよう求めます。
4.リスクコミュニケーションの推進について
リスクコミュニケーションについて、わかりやすい手引書を作成し、都民に普及させるよう求めます。また、リスクコミュニケーションについては都内の保健所単位における実施計画を作成し、積極的に実施されるよう求めます。
5.事業の有効性に関する検証などについて
例年指摘しているところですが、計画は前年度の事業実績の事後評価を行ったうえで、策定されるべきものです。計画に前年度の実績見込み、あるいはこれまでの実績の経緯を明記すべきです。さらに、監視指導の効果的な実施について研究され、より効率のよい監視指導体制を組み立てられることを求めます。
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