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2010/02/12|活動報告(食)

「平成22年度東京都食品衛生監視指導計画(案)」に関する意見を提出 (2010年2月10日)

  

東京都は、「平成22年度東京都食品衛生監視指導計画」の策定に当たり、計画案について意見を募集しましたので、東京都生活協同組合連合会は、2月10日、下記の意見を提出しました。

2010年2月10日
東京都福祉保健局 御中
 

「平成22年度東京都食品衛生監視指導計画(案)」に関する意見

 

東京都生活協同組合連合会

                         

食品安全行政の充実に取り組んでおられることに心から敬意を表します。
標記の計画案について、当会の意見を述べます。
 
1.食中毒等健康危害発生時の対応について
2008年1月に発生した中国産冷凍餃子事件の発生は、たんなる食品安全(food safety)を超える「食品防御」(food defense)という課題を提起しました。その観点から、製造・流通過程の監視、品質管理の飛躍的な向上のほかに、このような事件が発生した際のしっかりしたクライシス・マネジメントが課題となっています。
この計画では食中毒健康危害発生時の対応、普及啓発、食品事故に関する公表などについて触れていますが、緊急時において的確な情報を都民に速やかに提供していく態勢の整備をより充実させることを求めます。
また、関係行政機関だけでなく、事業者も参加するクライシス・マネジメントの訓練の実施を求めます。
 
2.連携体制の確保について
   「食品等に係る重大事故等、消費者事故等が発生した旨の情報を得たときは、速やかに、消費者庁に通知を行うこと」は当然ですが、重大事故等発生時における厚労省、消費者庁、他道府県市等からの情報収集に関して万全な体制づくりを要望します。
また、初動における関係事業者と保健所との連携もきわめて重要です。現場から都を経て国までに至る情報が一貫して滞りなく流れるような体制の整備およびその定期的な点検を行うよう求めます。
 
3.食品衛生自主管理認証制度について
 食品衛生自主管理認証制度は食品の安全確保にとって大変に意義のある制度ですが、なお、普及率が低い状態にあります。それは、この制度が一般の消費者にあまり知られていなく、事業者側にとっても経済的なインセンティブが弱いことに起因していると考えられます。認証取得事業者についての広報をはじめとする制度に関連する情報の普及をいっそう図るとともに、小規模事業者に対して認証費用を助成するなどの大胆な促進施策を講じるよう求めます。
 
4.リスクコミュニケーションの推進について
リスクコミュニケーションについて、わかりやすい手引書を作成し、都民に普及させるよう求めます。また、リスクコミュニケーションについては、特別区および八王子市と連携しつつ、都内の保健所単位における実施計画を作成し、積極的に実施されるよう求めます。
 
5.健康食品対策について
健康食品に関して立ち入り検査や市販品の試買調査を行うことに賛成します。健康食品の健康被害について、物質そのものの安全性だけでなく、使用法(複数の物質の併用を含む)に関係する安全性などについても、評価をすべきです。
また消費者に対しては、ホームページや消費者向けのパンフレットを活用し、健康食品を適切に利用するための普及啓発を行うとありますが、消費者行政とも連携して、もっと多くの消費者に呼びかけるような取組を期待します。
 
6.事業の有効性に関する検証などについて
 例年指摘しているところですが、計画は前年度の事業実績の事後評価を行ったうえで、策定されるべきものです。速報値をできるだけ速く公表されるよう求めます。また、前年実績を踏まえた計画の柔軟な見直しもすすめるべきです。さらに、監視指導の効果的な実施について研究され、より効率のよい監視指導体制を組み立てられることを求めます。
 
7.計画の性格と目標の設定などについて
 食品安全基本法の制定にともなって、食品衛生法は基本法の個別法と位置づけられ、食品衛生行政は広義の食品安全行政の一分野となったと考えられます。厚生労働省の食品衛生監視指導指針が、監視指導計画は必ずしも狭義の食品衛生監視指導に限定せずに、計画策定者が食品安全確保施策についての追加的な項目を計画化できるとしているのも、このような食品安全政策の体系化を受けているものと理解できます。
 東京都は一方で、食品安全条例にもとづき、5年間の食品安全推進計画を策定しています。当然ながら、食品安全計画にはこの監視指導計画と重複する施策が多数掲げられています。これら両者の計画を整合的にとらえるとすれば、この計画は安全推進計画を受けた年次計画と理解することが合理的です。
そのような観点からすると、この計画は食品衛生監視指導に関しては目標数値をあげて具体的に記述していますが、それ以外については具体性が乏しい項目があります。調査研究の対象物質の選定、食品衛生自主管理認証制度の業種別の目標および具体的な普及施策、各種講習会のテーマおよび開会予定件数その他について、食品安全推進計画との整合をとりながら、できる限り目標を掲げて具体的に記述されるよう求めます。
 
以上

 

 

 

東京都は、「平成22年度東京都食品衛生監視指導計画」の策定に当たり、計画案について意見を募集しましたので、東京都生活協同組合連合会は、2月10日、下記の意見を提出しました。