男女平等参画-詳細

2009/05/27|活動報告(男女平等参画)

ざっくばらんとーく ワーク・ライフ・バランス~働き方を考えよう!~」報告

生協トップと現場職員とのパネルディスカッション報告
「ざっくばらんとーく ワーク・ライフ・バランス~働き方を考えよう!~」報告

日 時  3月28日(土)13:30~16:30

会 場  東京都生協連会館3階ホール
参加人数  87名
主 催  東京都生協連男女平等参画推進委員会
 
 東京の生協では、ワーク・ライフ・バランスが当面の重要課題との共通認識の下、「男女平等参画推進のための第二次行動計画」に取り組んでいます。
 東京都生協連男女平等参画推進委員会では、08年1月29日に、東京大学社会科学研究所准教授の水町氏を講師に、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、どのように進めていくか学習会を開催しました。また、委員会内にプロジェクトチームを設置し、07年12月から08年3月にかけて、現状を把握し、課題解決をすすめるために、男女平等参画にかかわる就業制度とその活用状況などの実態調査を行いました。その調査結果を受けて、生協の職場で組合員にも理解され、生き生きと働き続けられる働き方、職場作りについて基調講演とパネルディスカッションを通して考えました。
 
報告「東京の生協の男女平等参画状況調査を終えて 課題と改善指針」
    岩元一豊 東京都生協連男女平等参画推進委員(パルシステム連合会人事部長)
 
東京都生協連の会員87生協に配布し、39の回答を得た実態調査は、大きく分けて次の3つの設問で行いました。
①雇用形態の男女比などの就業に関わる基礎データと就業制度
②母性保護、育児、介護等の休業制度と取得実態
③次世代育成支援推進など、男女平等参画にかかわる法制度を意識しているか
これらの状況を分析し課題を抽出した結果が「アンケート結果を受けての改善すべき課題」として報告されました。
改善すべき課題としては、①法令順守(最低限決められている条項の順守)②社会的水準と比較し相対的に遅れていることについて是正をはかること。社会的水準よりも先行していることについては継続して取り組む課題としてかかげ、取り組みを具体的に説明した「東京の生協におけるワーク・ライフ・バランス改善指針」が報告されました。
 
基調講演  「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けての課題~東京都生協連『男女平等参画状況調査』へのコメント」
講師:禿(かむろ) あや美 跡見学園女子大学マネジメント学部准教授
 
 ワーク・ライフ・バランスがなぜ必要なのか、アンケート調査の分析をとおして、東京の生協の現状の課題と他社との比較、ワーク・ライフ・バランスの観点から「豊かな社会」をつくるとはどういうことかお話いただきました。
 
     ワーク・ライフ・バランスとは、すべての労働者が「仕事と生活(生命)」のバランスをとれる環境を整えるということで、仕事生活の両立支援を重視している企業は生産性や利益だけでなく、定着率や仕事への意欲が高いことが民間の調査で明らかになっている。また、定着率が高いので、採用や教育訓練のコスト節約にもなり、両立支援や人材を大事にする会社は就職希望者も多くなり人材を引き付ける魅力をつくりだすことができる。不況の今こそ、ワーク・ライフ・バランスが重要だと強調したい。
     東京の生協のアンケート調査と内閣府専門調査会や厚生労働省の調査や他企業と比較して、現状の課題は、長時間労働、地域生協での女性正規職員の比率が低く、男は正社員、女はパートという性別役割分業がはっきりとすみわけがなされていることである。
  女性の積極的活用とワーク・ライフ・バランスの推進は働きやすい職場づくりの「車の両輪」で、管理職と人事とトップマネジメントの3者があわさることで、継続的で意味のある施策になる。
     誰でも、人間として能力を開花させ、豊かに生きたいと願います。生協は「豊かな生活文化」を組合員と共同でつくり上げていくということが共通の理解。働く人の豊かな生活、能力を発揮し、多様な生活があることによって発展していくのではないか。生協だからこそ先進的に取り組んで、存在感を発揮していくことを期待している。
 
パネルディスカッション
 「ワーク・ライフ・バランス~働き方を考えよう~」
 若森委員長をコーディネーターに、基調講演をしていただいた禿准教授にアドバイザーとして参加いただき、生協トップと現場の職員とのパネルディスカッションを行いました。

 上原コープとうきょう理事長が「地域生協では男性中心の職場だったが、女性の登用・進出で改善に取り組んできたこと」を報告し、医療生協からは長時間労働の問題、管理職の立場として、センター長によるこの間の女性の登用や労働環境の改善状況と残業問題などの課題、育児休暇を取得して職場復帰した職員から、復帰する時の不安や、これから職場に貢献していきたいという心境が話され、会場からは、仕組みだけ変えても長時間労働を求める風土の問題もあるなどの意見が出されました。禿准教授から、「ワーク・ライフ・バランスは有形無形のプラスがたくさんあり、夢にむかってやっていただきたい」とのコメントをいただき、最後に若森委員長が、「組織が活発化するよう意識を持ち、生協は夢を語る組織なので、前向きにすすんでいきたい」と締め括りました。